こんにちは!
管理栄養士のつじです。
わたしはトマト大好きですが、トマトって好きな人と嫌いな人の差が激しい野菜ですよね…。
「トマトは栄養たっぷりだから好きだしいっぱい食べよー」
「煮たらいけるけど、青臭さが苦手…」
今回は、うま味の相乗効果もお伝えしますので、今までよりもおいしく、栄養もしっかりとれるようになるといいなーと思っています!
からだを若々しく保つ栄養素も含まれています♪♪
さらに、みなさんが知らないであろうトマトの魅力を雑学も交えてお届け!
今回のクイズは、トマトのうま味の相乗効果について!
トマトのうま味成分はなんでしょうか?
最後にこたえを載せていますので、考えながら楽しく読んでみてください♪♪
トマト編はじまります♪♪
トマト 基本情報
さて、トマトはどこからやってきたのでしょうか。
トマトが誕生したのは、南アメリカのアンデス高地(標高2000~3000m)の場所だと言われています。トマトのご先祖様にあたる野生種のトマトは、とても小さな果実をつけます。
そのトマトを16世紀にメキシコを征服したスペイン人が国に帰る際に持って帰りましたが、独特の香り(今でもトマト嫌いな人は香りが…という人もいますよね)があり、その時には広まることはありませんでした。
その後、ヨーロッパで食用の栽培が始まったのが18世紀ごろです。
ちなみに、日本には17世紀中ごろ(日本は江戸時代:4代将軍徳川家綱【とくがわいえつな】の世でした)に持ち込まれました。
しかし、栽培されるようになったのは、明治時代からです。
生のサラダにのせて食べるようになったのは、なんと戦後から!!
当たり前のようにサラダにのせて食べていると思いますが、その食文化になってから、まだ100年も経っていないとは驚きですね!
ひいおじいちゃん・ひいおばあちゃん世代であれば…
年齢によりますが、まだ、あまり食べないという方もいるかもしれません。
トマトは“夏野菜”の代表格!
おやつ代わりに生でそのままかじってもいいですし、うま味成分も含まれるので、煮てもおいしさを発揮します♪♪
トマトと言えば、真っ赤な色が特長!と思ったあなた!
実は、他にもいろいろな色があります!
ただし、トマトでみなさんが知っている栄養素【リコピン】は、赤色のトマトに一番多いんですよ!
抗酸化作用をもつ栄養素です。
トマトの品種
トマトの色には、さまざまなものがあるとお伝えしましたので、ここでは色別にご紹介します!
最近は、スーパーに行くと、トマトのコーナーだけでも何種類もあるので、迷うことも多いと思いますので、参考にしてみてくださいね。
また、大きさも小さいものから、いわゆるトマトの大きさまでありますので、大きさについてもわかるようにお伝えします。
- 大玉:いわゆる普通のトマトで直径8cm程度
- ミニ:ビー玉サイズ~直径3㎝くらいまで
- 中玉:大玉とミニの中間
赤色
トマトと言えば!の色味ですので、もちろんお店で見かけることが最も多いですよね。
- 桃太郎(ももたろう)
日本で最も多く食べられているトマト。
皮が薄くてやわらかいのに、果肉がしっかりしているので、熟してもくずれにくいです。
青臭さが比較的少ないので、食べやすいと言われています。
直径:7~8cm 大玉
調理法:生食、煮込み料理
旬の時期:6月~9月 - サンマルツァーノ
イタリア原産で、うま味成分を多く含む調理用のトマト。
ジュースにもつかわれます。
生食用のトマトを加熱すると、水っぽくなったりすっぱくなったりするが、そういったこともなく仕上がるのが利点。
直径:6~7cm 大玉
調理法:ソース、煮込み料理、ジュース
旬の時期:6月~9月 - アメーラ
水をやるのをあえて少なくすることで、甘くなるように育てたトマトです。
直径:5~6cm 中玉
調理法:生食
旬の時期:一年中 - アイコ
細長い形のミニトマトです。
果肉があつく、中のゼリー部分が少ないのが特長。
直径:3~4cm ミニ
調理法:ソース、ジャム、生食
旬の時期:6月~11月 - マイクロミニ
マイクロという名前の通り、とても小さいトマト。
果実の大きさが1cmほどと、1円玉と比べても小さく、こつぶの品種です。
小さいですが、しっかりトマトの味はします。
直径:約1cm ミニ
調理法:生食、料理の飾りに使用
旬の時期:7月~9月
黄色、オレンジ色
赤色に次いで見かける色ではないでしょうか。
定番の赤と一緒につかうと、いろどりもよいですね!
- 黄寿(おうじゅ)
めずらしい黄色の大玉トマト。
少しかためですが、酸味は少なく、甘みが引き立ちます。
直径:7~8cm 大玉
調理法:生食
旬の時期:6月~9月 - フルーツゴールドギャバリッチ
なめらかな食感のトマト。
オレンジ色の果肉は特長的です。
落ち着いた気分をもたらすGABA(ギャバ)という成分が多く含まれています。
直径:5~6cm 中玉
調理法:生食
旬の時期:6月~11月 - イエローアイコ
アイコの黄色い品種で、形は同じように細長い形のミニトマト。
酸味が少なく、甘みが強いです。
直径:2~3cm ミニ
調理法:ソース、炒めもの、生食
旬の時期:6月~11月
その他の色
ここでご紹介するトマトはほとんどスーパーで見かけることはないかと思います。
わたしが見たことがあるのは、どの品種かわかりませんが、ミニトマトバイキング(量り売り)をしていた時くらいです。
いろいろな色のミニトマトから好きに選ぶ方式で、赤・オレンジ・黄・緑・紫とさまざまな色がありました。
ここでは、しま模様のトマト、紫色のトマトについてお伝えします。
- ブラックゼブラ
赤に濃い緑色のしま模様があるトマト。
うま味と甘みのバランスが抜群です。
日本ではまだまだめずらしいですが、ヨーロッパでは見かけることも増えているそう。
直径:5~6cm 中玉
調理法:生食
旬の時期:7月~10月 - トスカーナバイオレット
完熟すると紫っぽい赤色になるイタリア生まれのトマト。
目に関わる栄養素として有名なアントシアニンを含みます。
甘みと酸味があります。
直径:約3cm ミニ
調理法:生食、マリネ
旬の時期:3月~10月
大きさも色もさまざまなトマトがあるとわかりましたね。
色味によっても含まれる栄養素にちがいもあり、おもしろさをわかっていただけましたか?
好きなトマトをみつけてみましょう♪♪
わたしは、ミニトマトバイキングを見かけたら、次こそはチャレンジしてみます!!
トマトに含まれる栄養成分
「トマトが赤くなると、医者が青くなる」と西洋では言われるほど、トマトには多くの健康に関わる栄養素がいっぱい含まれています。
緑黄色野菜のひとつであり、夏場の太陽をしっかり浴びて育ったトマトには、ビタミンCが多いです。
さらに、β-カロテンやビタミンEなどの抗酸化に欠かせないビタミンも!
うま味成分として有名なグルタミン酸にもからだによい働きがありますよ。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ビタミンC
水に溶ける水溶性ビタミンのひとつ。
抗酸化作用をもつビタミンとしても有名。
肌の健康に欠かせないコラーゲンの生成の際に必要となります。
また、ストレスからからだを守ったり、不足すると貧血となる鉄の吸収も助けます。
美に欠かせない栄養素ですので、不足しないように補いましょう!
β-カロテン
抗酸化作用をもつ栄養素です。
体内でビタミンAとなり働きます。
ビタミンAはあぶらに溶ける脂溶性ビタミンのひとつ。
また、カロテノイドの一種で、にんじんの色みに関わります。
夜間の目の健康維持や、皮膚の粘膜や免疫機能を正常に保つためにも欠かせません。
ビタミンE
抗酸化作用をもつ栄養素です。
酸化されやすい脂質の代わりに自身が酸化されることで、細胞を守っています。
また、血行に関わる栄養素でもあり、からだの血液循環を整える働きも。
グルタミン酸
アミノ酸のひとつで、うま味成分としてよく知られています。
脳や神経の働きをサポートしますし、疲れを和らげるためにも関わる栄養素です。
はじめや先ほどもお伝えしましたが、強力な抗酸化作用をもつリコペンを含むのはもちろん、3大抗酸化ビタミンと言われるビタミンA・C・E(頭文字をつなげてビタミン“エース”とも呼びます)も含みますので、からだの中から若々しさをサポートしてくれます。
おまちかねの【リコピン】については次で詳しく説明します。
トマトを食べるとどういいの?
栄養に関して知識がない方でも聞いたことのある【リコピン】。
リコピンとは、β-カロテンと同じく、カロテノイドの一種です。
カロテノイドとは、主に緑黄色野菜に含まれる黄色、オレンジ色、赤色の色素成分のことを言い、強い抗酸化作用をもちます。
β-カロテンのように体内でビタミンAにはなりませんが、抗酸化作用はβ-カロテンの2倍以上とも。
(抗酸化ビタミンとして知られているビタミンEと比較すると、約100倍にも匹敵するそうです。)
ということは…
抗酸化作用をもつ成分は、
それだけで、【からだの中から若々しさをサポートしてくれる】にも関わらず、トマトにはその働きが強いので、トマトをとると、よりかがやく毎日が手に入るかも♪♪
トマトパワーを余すことなく活用!
よりおいしく、よりよい方法で、食べるにはどうすればよいでしょうか。
リコピンは、その完熟度によって含有量が大きく異なると考えられています。
そのため、できるだけ完熟の状態で収穫しましょう。
(店頭に並ぶものについては、だいぶ前に収穫されていますし、どうしようもありませんが、家庭菜園などで完熟まで置いておけるものに関しては、できるだけ完熟まで待つのがおすすめです。)
また、リコピンは【熱に強い成分】ですので、ジュースやペーストなどさまざまなトマトの加工品にも多く含まれています。
なんと!!
生のトマトに含まれている状態よりも、トマトケチャップやトマトペースト、トマトジュースなどのような“加熱”をされた状態の方が、からだに吸収されやすいとも。
たいていは、新鮮でそのままの状態の方が栄養が多いですが、トマトは異なりますので、できれば加熱調理をして食べましょう♪♪
また、にんじんのところでもお話ししましたが、リコピンも“あぶらに溶けやすい=脂溶性”ですので、あぶらをつかった調理方法がおすすめです。
抗酸化パワーを高めたいという方は、ビタミンEを多く含む食品(ごま、アーモンド、ピーナッツなど)と一緒に食べるのも良いですよ!
さらに、トマトと言えば、うま味成分のひとつ【グルタミン酸】が含まれます。
うま味成分は、ほかのうま味成分と一緒にとることで、うま味がパワーアップ(相乗効果)しますので、加熱調理する際には、トマトと併せやすいうま味【イノシン酸】をもつ食材を取り入れましょう!
(栄養もですが、おいしさも大事ですもんね!)
- イノシン酸を含む食材
・鶏肉
・豚肉
・牛肉
・カツオ など
最後に、トマトを選ぶ際のポイントも紹介しておきます。
- へたがピンとはっていて、鮮やかな緑(青)色をしているもの
- 表面に傷がなく、丸くてずっしりと重みを感じるもの
- ゼリー状の種がぎっしり詰まっているもの
(こちらは切ってみないとわかりませんが…)
わたしのトマト料理の定番は、鶏肉のトマト煮。
軽く焼き目をつけた鶏モモ(角切り)をトマト缶で煮込み、塩コショウで味をととのえて完成という簡単なものです。
そのまま食べるのはもちろん、パスタを加えても良いですし、ごはんとチーズでドリア風もおいしいですよ!
おいしさを求めてつくっていたものが、理にかなっていてびっくりしました。
よろしければおためしあれ♪♪
明日つかえる!トマト雑学♪♪
ここでは、トマトの雑学についてお伝えします。
トマトは好き嫌いの差が激しい野菜ですので、嫌いな人はひとまず雑学からはいるのもいいかもしれませんね!
雑学も知ることで、栄養についても興味がわき、トマトが好きになったらと少し期待しつつお届けします♪♪
甘いトマトがわかる方法がある?
トマトのすっぱさが苦手…という方は必見!
まずは、トマトを裏返してみましょう!
トマトの先端部分から出る、星のように見える白いすじが見えましたか?
これを“スターマーク”と言います。
スターマークのあるトマトは甘いと言われますので、買う時の参考にしてください♪♪
なんと【フルーツトマト】という品種はない!?
特別な栽培方法(水分調整栽培)で育てると、甘くて味の濃いトマトができます。
このトマトをまとめて、【フルーツトマト】と呼ぶんです!
甘みがとても強いので、サラダやマリネで食べるのが良いです。
トマト祭りでつかわれるトマトは〇万個!!
トマトと言えば、あのお祭りを思い出しませんか?
コロナになってからは開催されていないかもしれませんが、それまでは、例年、開催されるとニュースになっていましたよね!
スペインのブニョールという町で行われるトマト祭り(トマティーナ)には、毎年世界各地から多くの方が参加しています。
トマトを投げ合い、互いにぶつけあいます。
元々は収穫を祝うお祭りだったそうです。
4万人が参加し、15万個のトマトを投げ合うので、トマトで町中真っ赤に染まるとのこと…。
トマト祭りは、ニュースで見ていましたが、まさかそこまで多くのトマトをつかうとは!という驚きが…笑。
明日、誰かに話したい雑学はありましたか?
◇◆まとめ◇◆
本日は、トマトの魅力についてお伝えしました。
まとめると…
- トマトと言えば【赤】という印象が強いが、さまざまな色がある
- 抗酸化パワーの強いリコピンは赤色トマトに多いが、色によってはその色独自の栄養が含まれるものも
- 抗酸化パワーでは【リコピン】に注目されがちだが、ビタミンACE(エース)も含まれている
- リコピンは生のままより、加熱した方が多い
- 調理する際は、トマトに含まれる【グルタミン酸】とのうま味の相乗効果を考える
トマトは「好きな野菜ランキング」にも「嫌いな野菜ランキング」にもランクインする野菜なので、個人差が大きいと思います。
今回、栄養についてはすばらしいとわかっていただけたと思いますので、苦手な人もまずはひと口からでもいいので、食べてみましょう!
生の青臭さが苦手な方は加熱してみてくださいね。
【からだをつくるのは口からとったものだけ】
自分自身のからだをよくするも悪くするのも自分次第…。
どうせなら、キラキラした毎日を送りたいですよね!
からだの中から若々しさをサポートしてくれる“トマトも含んだ野菜生活”を♪♪
※トマトだけではなく、さまざまな野菜をバランスよく取り入れましょう!
◇◆クイズのこたえ◇◆
こたえは…
カタカナだったので、覚えにくかったかもしれませんが…
【グルタミン酸】です。
なにと一緒に食べるとよいと言っていましたっけ?
忘れた方は【5】をチェック!