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“エリンギの魅力”徹底解説!~野菜辞典 エリンギ編~

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こんにちは!
管理栄養士のつじです。

エリンギって食べますか?

比較的若い世代であれば、こどもの頃からある“きのこ”のひとつなので、食べている方も多いと思います。しかし、年齢を重ねた方では、あまり使わない方も多いのではないでしょうか。

きのこと言えば、「しめじ」「しいたけ」という世代の方もいらっしゃることでしょう!

それもそのはず!
後で詳しくお伝えしますが、日本では、エリンギは比較的新しいきのこなんです!

ただ、新しいきのこで、なじみがないからと言って、食べないのはもったない!!!

そんなエリンギの魅力に迫っていきましょう♪♪

おすすめの食べ方もご紹介しますので、もし食べてみたことがないという方がいらっしゃったら、まずは一度お試しくださいね!

今回のクイズは、エリンギの名前について。
名前のもとになった学名は?

エリンギの名前の秘密にも迫りますのでお楽しみに!

最後にこたえも載せていますが…
ではでは、エリンギの世界を学びにいきましょう~♪♪

エリンギ 基本情報

エリンギは、地中海沿岸から来たヒラタケの仲間です。

最近ではスーパーでよく見かけるので、そこら辺の山に入れば生えているものかと思っている方も多いのではないでしょうか?

実は、エリンギは、日本の山には自生していません。

というのも、エリンギは、“エリンジウム”という植物の枯れた根っこに生えます。
日本には、このエリンジウムという植物が生えていないので、エリンギは生えてきません。

日本で流通している【エリンギ】は、すべて野生ではなく【栽培】によって生み出されたものです。

今では、スーパーに行けば必ず並んでいるきのこのひとつですが、1993年に台湾から入ってきました。
その後、人工栽培が行われ、現在のようなエリンギが開発されました。

わたしたちが今普通に食べているエリンギは…

●もし日本に入ってきていなければ…
●今のようなものが開発されていなければ…

食卓を彩るきのこのひとつにはなっていなかったことでしょう。

エリンギの種類

エリンギと言えば、みなさんが思い浮かべる「あのフォルム」しかないですよね!

【柄の部分が太くて、かさがあまり開いていないもの】

がみなさんが想像するエリンギだと思います。

それは間違いではありません!

先ほど、日本では人工栽培で生産されていて、現在のような形のエリンギが開発されたとお伝えしましたので、日本でエリンギと言えば、基本的にはそれしかありません!!

しかし、外国に自生している野菜のエリンギを見てみると…

日本のものとは全くちがいます!
【かさが大きく開いていて、柄はそれほど太くないもの】

日本では実物を見る機会はありませんが、気になった方は、外国に行った際に確認してみてください。

エリンギに含まれる栄養成分

エリンギの栄養成分についてご紹介します♪♪

さまざまな栄養素が含まれていますが、ビタミンB群やカリウムの豊富さはきのこトップクラスとも。

いくつか栄養素を見ていきましょう。

ビタミンB1

水に溶ける水溶性ビタミンのひとつ。
炭水化物の代謝に関わります。
炭水化物が代謝されなくなるとそのまま脂肪に変わって貯蔵され太りやすくなります。
また、代謝がうまくいかないことで、からだのつかれも取れにくく…。

ビタミンB2

水に溶ける水溶性ビタミンのひとつ。
多くの栄養素の代謝に関わる栄養素。
特に脂質代謝のサポートに大事な役割を果たしています。
口の中の粘膜や皮膚を正常に保つためにも欠かせません。

パントテン酸

水に溶ける水溶性ビタミンのひとつ。
たんぱく質、炭水化物、脂質の代謝に欠かせません。
HDLコレステロール(善玉コレステロール)の合成にも必要な栄養素。

カリウム

ミネラルのひとつ。
ナトリウムとともに細胞の機能を支えています。
筋肉の正常な働きを保つためにも必要となる栄養素です。
摂りすぎても尿で排泄されるので、摂り過ぎの心配はありません。
高血圧の原因となるナトリウムを排出しやすくするので、十分な摂取をすることで、ナトリウムの摂り過ぎで起こる高血圧の予防につながります。

それぞれの栄養素の代謝に関わるビタミンを含むことから、円滑に代謝をすすめてくれます!

また、きのこと言えば“カロリーが低い”!
エリンギももちろんそうです。

次にお話しする【食物繊維】も豊富ですので、ダイエットには最適です♪♪
噛み応えもありますし、加熱してもかさも減りませんもんね!

エリンギを食べるとどういいの?

噛み応えもしっかりあって、歯ざわりのよい【エリンギ】。

このよさは、“繊維質だからこそ”です。

繊維質=食物繊維が豊富!

この食物繊維には2種類あります。

  • 水溶性食物繊維
    水に溶けます。
    腸内でゼリー状になり、糖と消化酵素が結びつくのをじゃまします。
    それによって、血糖値が上がるのを抑えたり、コレステロールをそのまま排泄したり…などの働きが認められています。
  • 不溶性食物繊維
    水に溶けません。
    腸内で水を吸ってふくらみ、腸の活動を促します。
    それによって、便通をととのえたり、腸に長くものが留まらないようになることから、大腸がんの予防にも関係すると言われています。

ちなみに、エリンギはどちらも含みますが、多くは“不溶性食物繊維”ですので、便通に悩んでいる方は積極的にとりましょう!

ダイエットをしたい方にうれしい3拍子“低カロリー&代謝に必要な栄養素を豊富に含む&便通をととのえる”がそろっています。

便通を整えます
便通を整えます

もちろん、からだによいからと言って、「エリンギばかりを食べ過ぎる!」などは絶対だめですよ~!

エリンギパワーを余すことなく活用!

エリンギは、食物繊維が豊富ということもありますので、きのこの切り方(繊維に沿う・繊維を断つ)によって食感が変わります!

いつも同じ切り方をしていた方は、もったいないです!

切り方を見ていきましょう♪♪

  • 薄切り
    エリンギの形に沿って薄く切る切り方。
    この形は、エリンギの形を残しつつ、繊維に沿って切るので、食感が強く、弾力があります。
    素焼きやソテー、炒めものなどがおすすめです。
エリンギソテー
エリンギソテー
  • 乱切り
    ななめに包丁を入れ、エリンギを回転させながら切るので、食感と存在感を楽しむことができます。
    カレーやシチュー、スープなどがおすすめです。
  • 輪切り
    なかなか輪切りにされる方は少ないかもしれませんが、繊維を断つ形になるので、繊維に沿うよりは、少しやわらかな食感になります。
    あわびやホタテの食感に近いので、炒めものやパスタがおすすめです。
  • 手で裂く(さく)
    包丁で切った断面とは異なりますので、味がしみこみやすくなります。
    トマト煮込みやマリネがおすすめです。
    そのほか、料理に合わせて、細かく切ることもあると思います。

すでにすべての切り方をしていた!という方は、少ないと思いますので、料理に合わせて、切り方を工夫してみてくださいね!
エリンギのことがもっと好きになるかもしれません♪♪

せっかくなら、長持ちした方がよいと思います。
エリンギの選び方についてもお伝えします!

  • かさが開きすぎていないもの
  • 薄い茶色で割れていないもの
  • ふちが内側に巻き込んでいるもの
  • 軸が太くて白いもの
  • 軸とかさともに固さとハリがあるもの

なかなかスーパーで見てもわからないこともあると思いますが、色味や見た目など参考になる部分もあれば…。

わたしは、炒めものの時は【薄切り】、グラタンの時は【乱切り】、味噌汁にいれる時は【輪切り】と変えてはいますが、手で裂くことはしたことがありませんでした。

輪切りを厚めにすると、なんちゃってホタテパスタができるらしいので、一度やってみようと考え中です♪♪

※きのこは水洗いをすると、せっかくの香りが飛んでしまうので、気になる部分だけ、【濡れたふきんで拭く】ようにしましょう!

明日つかえる!エリンギ雑学♪♪

エリンギの雑学をご紹介します♪♪

エリンギになじみがない方は、雑学から学んでいただいても!

“エリンギ”という名前の由来は?
そもそもなぜカタカナ?と思う方もいらっしゃるでしょう!

まつたけ:アカマツに生える⇒松茸
しいたけ:椎の木に生える⇒椎茸

と、実はそれぞれに和名があります。

ただ、はじめにお話ししたように、エリンギは日本に自生していない“エリンジウム”という木に生えるので…
和名がありません!!!

そのため、学名の【プレオロータス・エリンジ】から名づけられました。

食感の部分から、「白あわび茸」などと呼ばれた時期もあったようですが、いつの頃からか現在のエリンギに落ち着いたそうです。

なにも思わずに当たり前のように呼んでいるきのこの名前にも、和名のついているものは、どの植物に生えているかなどわかりやすくなっているとわかりましたね!

エリンギだけでなく、ほかのきのこに興味が出てきた方は、ご自身でも調べてみてください。

知らなかったことを知りたい!という“興味”から、食べてみたいということにつながることもありますので、苦手な食べ物の雑学を調べてみるのがおすすめです!

◇◆まとめ◇◆

今日は、エリンギの世界についてお伝えしました!

エリンギはビタミンが豊富
エリンギはビタミンが豊富

まとめると…

  • 日本の山に自生しておらず、人工栽培されているきのこ
    (そのため、和名もなく、名前の由来は学名)
  • 歴史の新しいきのこで、日本で食べているのはここ30年ほど
  • 代謝に関わるビタミンが豊富
    (ビタミンB1、ビタミンB2、パントテン酸など)
  • ダイエットの味方の条件がそろっている
    (低カロリー&代謝に必要な栄養素を豊富に含む&便通をととのえる)
  • 切り方でさまざまな食感をたのしむことができる

年齢を重ねた方には、なじみがないかもしれない“エリンギ”。
年齢とともに、体型を気にされる方も多くなると思いますが、そのような方にうれしい働きがたくさんありましたね!

【からだをつくるのは口からとったものだけ】

体型を気にされる方が行う無理なダイエットでは、大事な栄養は不足しがち…。
キレイを保ちつつも、健康でありたいですよね!

すっとしたキラキラかがやく毎日を送るためにも“エリンギも取り入れた野菜&きのこ生活”を♪♪

※エリンギなどのきのこだけではなく、さまざまな野菜をバランスよく取り入れましょう!

◇◆クイズのこたえ◇◆

こたえは…
プレオロータス・エリンジ】でした。

もし日本にエリンジウムという植物が自生していたら…
“エリ茸”になっていたかもしれませんね!笑

詳しくは【6】を読んでみましょう♪♪

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