こんにちは!
管理栄養士のつじです。
れんこんお好きですか?
わたしはれんこんのフライが好きで、実家にいるときは、とんかつとともに“れんこんのフライ”が食卓に並ぶ日は、テンションマックスになっていました!(笑)
ただ、れんこんって好きも嫌いもないという方が大半ではないでしょうか。
そもそも、どのような栄養素が入っているかも知らないですよね…。
ハスとれんこんが結びついていない方もいるかもしれませんね!
今日は、そんなれんこんにスポットを当てて、徹底的に解説します!
最後には、れんこんが好きになっているかも!?
今回のクイズは、れんこんの“穴”について。
なんであの穴があいているのか、誰でも一度は気になったことがありますよね!
こたえは、最後にも載せますが、予想しながら読み進めてくださいね!
では、みなさんのれんこんレベルを上げていきましょう~♪♪
れんこん 基本情報
れんこんは、ハスの地下茎(ちかけい)で、水を張った水田で育ちます。
大きな葉っぱは、水面から1m以上も育ち、白や薄いピンクのきれいな花を咲かせます。この花は朝早くに咲き、昼には閉じてしまいます。
れんこんは、東南アジアやオーストラリアが原産と言われていますが、諸説あるそうです。
栽培が始まったのは古代のインドで、5世紀ごろに日本にやってきたと考えられています。
ただし、古代の地層からも発見されていて、イネとともに縄文時代の末期にはすでに日本にやってきていたとも…。
日本では古くから食用としていますが、西アジアやヨーロッパでは、ハスの根っこを食用にすることはあまりありません。
現在、広く出回っているれんこんについては、明治時代に中国から入ってきたもの改良してできたものが中心です。
れんこんの品種
次に紹介する品種は、先ほどお伝えしていたように、中国から来たれんこんから生まれたものです。
- 岩国(いわくに)れんこん
江戸時代から山口県で栽培されているれんこん。
節が長くて、もっちりしています。
節の長さ:約20cm
活用法:岩国寿司(殿様寿司)、酢の物、天ぷら
旬の時期:7月下旬~翌年4月
岩国寿司(いわくにずし)とは?
別名「殿様寿司」とも呼ばれ、城下町らしい豪華な具と四角い形が特徴の押し寿司です。
酢飯とさまざまな具材を交互に何層も重ねていき、型を押して仕上げます。
一度に5升~10升の米を用いてつくられ、食べる直前に1人分ずつ切り分けて食べます。
発祥は、岩国藩主に命じられて考案した保存食という説や、藩主への献上品としてつくられたという説などがあるそうです。現在でも、ご当地グルメとしてたのしむことができます♪♪
- 加賀(かが)れんこん
節の間が短く、きめの細かいれんこん。
でんぷんの多さから「もちれんこん」とも。
すりおろしたときの粘りが強く、その
粘りを活かした郷土料理である“はす蒸し”が昔から食べられてきました。
石川県の品種です。
節の長さ:約15cm
活用法:はす蒸し、蒸し物、酢の物、煮物
旬の時期:8月下旬~翌年5月
はす蒸しとは?
加賀れんこんをすりおろして魚介をいれて蒸したものに、あんをかけた料理。
全国的に料亭などで見ることがありますが、普通のれんこんでつくる場合には、卵や片栗粉をつなぎにつかっています。先ほど、加賀れんこんは“もちれんこん”とも言われるとお伝えしたように、つなぎを加えずにつくることができるのが特長的。れんこん本来のもっちり感を味わえます。
2つのれんこんを紹介しましたが、それぞれその地元ならではの活用法もあるとわかりましたね!
料亭でれんこんのあんかけは食べたことがありましたが、加賀れんこんではなかったと思いますので…
機会があれば、現地で食べてみたいと思っています!
れんこんに含まれる栄養成分
はじめに、れんこんにはどんな栄養素が含まれているのかわからない方もいらっしゃるのでは?とお話ししていましたので、ここでは、れんこんに含まれる栄養素をいくつか紹介します。
時間が経つと白いのが黒っぽくなってくると思いますが…
それも栄養素によるものなんですよ!
ビタミンC
水に溶ける水溶性ビタミンのひとつ。
細胞と細胞を結びつけるコラーゲンというたんぱく質の生成に関わるので、血管や皮膚をととのえる働きが。美容に関わるビタミンとしても有名です。
れんこんにはでんぷんが多いので、れんこんのビタミンCは、でんぷんに守られていて、加熱しても損失しにくいのが利点!
ビタミンB1
水に溶ける水溶性ビタミンのひとつ。
炭水化物をエネルギーに変える際に欠かせないので、代謝をスムーズにします。
炭水化物が代謝されなくなるとそのまま脂肪に変わって貯蔵され太りやすくなります。
また、代謝がうまくいかなくなると、からだにつかれがたまりやすくなってしまうので注意。
タンニン
植物界に広く存在するポリフェノールの一種。
れんこんの皮や節に多く含まれます。
抗酸化作用や腸を整える働きがあるとも言われているようです。
いくつか代表的なものを紹介しましたが、もちろんほかにも栄養素は含まれています。
れんこんを調理されたことがある方ならお分かりだと思うのですが…
れんこんって切ったときに、“糸を引きます”よね!!
この“糸”には、実はパワーがあるんです!
れんこんを食べるとどういいの?
れんこんの“糸”、これは、【ムチン】という粘性物質のよるものです。
れんこんをはじめ、つばめの巣などネバネバした食材に含まれています。
なんと、わたしたちのからだにも存在し、涙や胃腸や鼻などの粘膜にもムチンは含まれているのです。
ムチンが粘膜にも含まれているとお話ししたように、ムチンは【粘膜を保護する働き】があります。
そのようなところから…
●胃の粘膜に関わるので、胃炎や胃潰瘍の予防
●鼻や口など呼吸器の粘膜にも関わるので、風邪の予防やスタミナの維持
に関わります。
糸を引くれんこんは腐っている?と思う方もいらっしゃったかもしれませんが、有益な物質が含まれているとわかりましたね!
この【ムチン】ですが、食べるときに注意していただきたいポイントもあるので、しっかり覚えてください♪♪
れんこんパワーを余すことなく活用!
せっかく食べるのであれば、少しでも栄養をしっかりとれる食べ方がよいですよね!
詳しく見ていきましょう~♪♪
先ほどお話しした【ムチン】ですが…
【熱に弱い】という特性が…。
そのため、加熱しすぎないようにしましょう。
でんぷんのシャキシャキ感をたのしむためにも、加熱時間は短めがおすすめ。
また、ムチンは水溶性なので、加熱するとれんこんの外へ出ていきます。
長く加熱すると、やわらかい口当たりになりますので、煮込み料理などで、汁ごととれる料理にするのと栄養を逃さずとることができますよ。
そのほかには、栄養素の部分でお伝えしたように、ビタミンCやポリフェノールを多く含みますし、食物繊維もれんこんには入っています。
ビタミンA・C・Eを多く含む食材と組み合わせることで、れんこんのパワーをさらに強くすることが!!
れんこんの煮物に加えやすいので、にんじんやかぼちゃはおすすめです♪♪
わたしは、薄切りにしたれんこんと薄く切ったにんじんでつくるきんぴらが好きです!
味付けはいわゆるきんぴらと同じような感じなので、よかったらおためしくださいね♪♪
最後に、れんこんの選び方についてもお届けします。
- 穴が小さく、茶色のシブがついていないもの
(穴の内側が黒っぽくなっているものは避けましょう!) - 表面にツヤがあり、傷がないもの
- 節と節の間が長くて太いもの
最後の選び方は、なかなかスーパーで節と節がつながった状態で見ることはないので、むずかしいかとは思います。
穴の色味や傷の部分など参考になる部分もあれば…。
明日つかえる!れんこん雑学♪♪
れんこんの栄養については学んでいただいて、少しでもわかっていただけたかな?と思いますので、ここでは雑学をお伝えします♪♪
- お城のお堀にれんこんを植える理由は?
みなさん、お城に行ったときに、【ハス】を見たことがありませんか?
日本のお城の周りには、ハスがよく植えられています。
実は、これにはきちんとした理由があります。
戦で城にこもる際、食べ物がないと困りますよね!
いざというときの食べ物に困らないために、植えていたそうです。 - れんこんの漢字は?
れんこんって漢字で書くと…
【蓮根】です。
れん:蓮=はす
こん:根=ねっこ
漢字で見るとそうなのですが…
最初にお伝えしたように、れんこんは、地下茎(ちかけい)。
根っこのように地中にありますが、あくまで“茎”です!
漢字にまどわされないようにしましょう。 - れんこんの穴はどんな意味があるの?
ハスが水中に浮いているように見えるので、れんこんの穴は、浮袋の役割をしているのかも?と考えた方もいらっしゃったかもしれませんね。
一見水中にれんこんも浮いているように思いがちですが、先ほどの地下茎でお伝えしたように、水中の底の土(泥)の中にれんこんはあります。
そのため、あの穴は、そんな【土(泥)の中でもしっかりと呼吸ができるため】にあるんです。
穴が開いていることで、しっかりと成長することができます。
れんこんの雑学、いかがでしたか?
新たなことを知る機会となっていたらうれしいです。
◇◆まとめ◇◆
今日は、れんこんについて解説しました!
まとめると…
- れんこんは古くから日本で栽培され、食用としてつかわれてきた食材
- 古くから親しまれているが、今のれんこんは、ほぼ明治時代に中国から入ってきた品種
(それを改良し、各地にそれぞれのご当地れんこんもあり) - ビタミンCやビタミンB1が豊富
(置いておくことで黒っぽくなるのも栄養のひとつ=タンニン) - 粘り成分【ムチン】には、粘膜をととのえることで、さまざまなパワーを発揮
- ムチンのパワーを活かすためには、【短時間加熱】がポイント
好きでも嫌いでもないという方が多いと思われる“れんこん”。
いつまでもたのしい毎日を過ごしたい方に、免疫の面などうれしい働きがたくさんありましたね!
【からだをつくるのは口からとったものだけ】
元気でたのしい日々を送るためにも“れんこんも取り入れた野菜生活”を♪♪
※お分かりだとは思いますが、もちろんれんこんだけではなく、さまざまな野菜をバランスよく取り入れましょう!
◇◆クイズのこたえ◇◆
こたえは…
【しっかりと呼吸ができるため】でした。
れんこんといえば!というクイズでしたよね!
予想は当たっていましたか?
復習しておきたいという方は、【6】を読んでくださいね!