こんにちは!
管理栄養士のつじです。
“ケール”って聞いたことありますか?
聞いたことあるよ!っていう方もいらっしゃるとは思いますが、どのような野菜かご存じの方は少ないと思います。
聞いたことがある方は、【青汁】に入っている野菜という印象かもしれませんね!
青汁に入るということは栄養たっぷりという想像ができると思いますが…
その通りです♪♪
今日はそんな“ケール”について詳しくなりましょう!
今回のクイズは、ケールの子孫たちについて。
日本で鑑賞用として楽しまれる“あれ”も元をたどればケールにたどりつくんです♪♪
さて、何でしょうか?
最後にこたえも載せていますが…
みなさん、こたえを想像しながら読んでくださいね!
ケールのことがすこしでも頭に残るようにみなさんに情報をお伝えできるようがんばります!
ケール 基本情報
ケールは、キャベツやブロッコリーと同じアブラナ科の野菜です。
地中海沿岸を原産とし、2000年以上も前から栽培されていて、ちぢれた葉と平らな葉の両方が、親しまれてきました。ケルト人が最初に栽培したので、【ケール】という名前になったそうです。
ヨーロッパではずっと人気でしたが、中世の終わりごろになると、結球(けっきゅう:葉が重なりあって丸くなっていくこと)するキャベツの方が流通が多くなりました。
キャベツの流通が多くなったとはいえ、欧米では現在も、スーパーで売られていて、ロールキャベツやスープ、炒めものなどとして、食卓に並んでいます。
日本にやってきたのは、江戸時代初期。
オランダ人から伝えられたので、「オランダナ」と呼ばれていました。
当時は、食用としては利用されていませんでした。
食べるようになったのは、戦後の食糧難のころです。
そのころ、栄養補給を目的とし、病院食や給食用に青汁が考案されました。
当初はキャベツ、小松菜、だいこん葉などが原料として試されましたが、栄養バランスがよく、栽培の面からもすぐれていたケールが青汁の原料として定着。
今では【ケール=青汁】というイメージが強いですが、戦後の食糧難から生まれたものだとは知らない方も多いでしょう。
ケールの種類
先ほどお伝えしたように、ケールには“ちぢれた葉”、“平らな葉”があります。
それぞれについて見ていきましょう。
- カーリー・ケール
ちぢれている葉が特長。
見た目はパセリのように、葉に切れ込みが入りその縁が細かくちぢれています。
このタイプのケールをまとめてこのように呼びます。
比較的苦みやえぐみが少ないので、サラダやジュースなどにしても!
- コラード系ケール
楕円形の丸みのある葉でシワがないのが特長。
葉の色はブロッコリーに似ています。
葉はやわらかいのですが、茎の部分は固いので、調理の際はとりのぞきます。
そのほかに、黒キャベツと言われるものもあります。
(黒と言いつつも、真っ黒ではなく、濃い緑色の野菜です。)
こちらは、結球しない葉キャベツの一種です。
葉は細長く1枚の葉になっていて、葉の中心に太い葉脈があります。
表面は細かくちぢれています。
煮込んでも煮くずれしにくいため、煮込み料理に向いています。
“ケール”とひとくちに言っても、見た目は全然ちがうものばかりですね。
わたしも、実物を見たことがないので、みつけたらすぐ買ってみようと思います!
ケールの“こどもたち”も大活躍♪♪
冒頭で、今回のクイズの紹介をした際に、「子孫?」と思われた方もいらっしゃったかと思います。
実は…
【ケールは、多くの野菜のご先祖様】
なんです!!!
ここでは、活躍する“こどもたち”を紹介しますね!
~茎・つぼみが発達することで生まれた野菜~
- コールラビ
ケールの茎が発達してできた野菜。
キャベツの芯に似た甘さを持つ。
ブロッコリーに似た味とも。
日本ではなじみがないですが、ドイツやインドなどでよく食べられています。 - ブロッコリー
ケールのつぼみが進化して生まれた野菜。
詳しくはブロッコリーのページを見てください! - カリフラワー
ブロッコリーが突然変異して生まれた野菜。
見た目が似ているので、突然変異で生まれたと聞くと納得する方も多いでしょう。
~葉が発達することで生まれた野菜~
- 芽キャベツ
ケールの葉から生まれた野菜。
ちっちゃいキャベツ?そのまま置いておくとキャベツになるんでしょ?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、品種がちがうので、よく知るキャベツにはなりません。 - キャベツ
ケールが結球(けっきゅう)してできた野菜。
詳しくは、キャベツのページを見てください! - 紫キャベツ
キャベツと同様。
紫の色素は、アントシアニンの一種です。
葉は少しかため。 - 葉ボタン
江戸時代に品種改良されて誕生。
色あざやかな見た目から、鑑賞用として楽しまれています。
ケールのこどもたちについて紹介しました。
コールラビは日本ではなじみがないですが、それ以外のものは、みなさん知っていましたよね!
小さい頃、お正月に見る葉ボタンを色のちがうキャベツだと思って、母に「食べられるの?」と聞いた記憶があります(笑)
見た目が似ていたのは、祖先が同じだったからという疑問が解決出来ました!
【ケールのすごさ】感じていただけましたか?
ケールに含まれる栄養成分
ケールは【野菜の王様】です。
そのように言われる理由としては、こどもたちの活躍がすごいから!というのもあるかとは思いますが、【入っている栄養素がすばらしいから】ということが大きいと考えられます。
β-カロテンの含有量が小松菜に匹敵することや、多くのビタミン類、ミネラル全般を含むところが優秀ポイントです。
β-カロテン
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の酸化を抑える働きが。
体内でビタミンAとなり働きます。
ビタミンAはあぶらに溶ける脂溶性ビタミンのひとつ。
あぶらをつかった調理が栄養を余すことなく摂取できますよ!
キャベツは淡色野菜なので、β-カロテンは含みません。
ビタミンK
あぶらに溶ける脂溶性ビタミンのひとつ。
出血した際に血を止める働きをもちます。
また、骨をつくる時にも大事なビタミンで、骨へのカルシウムの沈着を助けます。
ビタミンC
水に溶ける水溶性ビタミンのひとつ。
コラーゲンの生成に関わるので、美容に欠かせないビタミンとして知られています。
抗酸化作用をもつこと、鉄の吸収にも関わるなどさまざまな役割をもつ栄養素です。
水に溶けやすく、熱にも弱いので、加熱の際は工夫が必要!
ここに載せていない栄養素もたくさん含んでいます。
ケールを食べるとどういいの?
さまざまな栄養素が入っているとお話ししましたが、それ以外にもさまざまな働きが認められています。
ほかの野菜のように、どれか特定の機能性成分ではないのですが、総合的に見てよいです。
- 便通をととのえる
女性でお悩みの方も多い便秘。
1週間程度出ないことにより、腹痛などに悩まされます。
便通をととのえる食物繊維が豊富に含有。
食物繊維は、便のかさましをし、腸のぜん動運動を促すという働きがあるので、便通をととのえるのに役立ちます。 - 生活習慣病から“からだ”を守る
さまざまな実験結果が報告されていて、わたしたちのからだを守ってくれます。 - 血糖値を落ち着け、糖尿病を予防する働きがあります。
- HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やすことで、高コレステロール血症を落ち着かせ、動脈硬化を予防する働きがあります。
ほかにもカロテノイドの一種である“ルテイン”も含むため、目にもうれしい働きが!
このように、どれかひとつを選ぶことができないほど、さまざまなうれしいパワーをもつ“ケール”。
ひとまず、毎日の生活に取り入れた方がよいというのはわかっていただけたと思います。
ただ、どうやって食べればよいのかは知らない方も多い(わたしも実物を見たことがないので、今回お話しするにあたりいろいろ調べました)と思いますので、次で詳しく紹介しますね!
ケールパワーを余すことなく活用!
種類の説明をしたところで少し話していましたが、種類により、えぐみや苦みが少ないものは【生】、しっかりしたものは【煮込み】などさまざまな食べ方があります。
ただ…
どうしても独特の香りとクセはあるので、やはり日本では、料理というよりも青汁の材料としてつかわれることが多いです。
ケールには、水溶性(水に溶ける)の成分が多く含まれるので、青汁は理にかなっていると考えられます。
苦みを和らげるには、甘い果物と一緒にスムージーにするのがおすすめです。
もしくは、生のままサラダにする場合は、ケールだけでなくさまざま野菜と一緒に混ぜてつくることで、苦みがましに感じられるだけでなく、ほかの野菜の栄養もとれて一石二鳥です♪♪
苦みを減らすために、1~2分ほど下ゆでするのも!
ただし、ゆですぎると味も色も悪くなるので注意しましょう!
なかなか食べる機会はないと思うのですが…
選ぶポイントも一応お伝えします。
- ある程度の重さがあるもの
- 葉の緑色が濃いもの
- 葉にハリがあるもの
なかなか生のケールが見つからないという方は、とっかかりとして、ケールが入った青汁やスープなどを飲んでみるのもおすすめです。
◇◆まとめ◇◆
本日は、ケールの魅力についてお届けしました♪♪
まとめると…
- キャベツに人気をとってかわられたが、欧米では今もスーパーに並ぶ野菜
- 日本で食べるようになったのは戦後。そこからは青汁の野菜としてつかわれるのが一番多い利用法
- ケールのこどもたちはどれも有名
- 野菜の王様と言われ、それに恥じないだけのさまざまな栄養素が入っている
- 種類によって生での食べやすさにちがいはあるが、独特の香りとクセを少なくする食べ方がおすすめ
甘い果物とスムージー、ほかの野菜と混ぜてサラダ、下ゆで)
日本では、知っている人でも青汁に入っている野菜という認識くらいしかない“ケール”。
そんなケールが、いろいろな野菜の祖先であることや、さまざまな栄養素を含むことを学んだことで、ケールを見る目が変わったのではないでしょうか。
【からだをつくるのは口からとったものだけ】
現代ではきちんととっているつもりでも大半の人がミネラルなどは不足しています。
すこやかな毎日を送るためにも“ケールも取り入れた野菜生活”を♪♪
※ケールだけではなく、さまざまな野菜をバランスよく取り入れましょう!
◇◆クイズのこたえ◇◆
こたえは…
【葉ボタン】でした。
キャベツや葉ボタン、ブロッコリーやカリフラワーなどケールの写真と一緒に見ると、どれも似ているなぁーと思えると思います。
詳しくは【3】を確認しましょう。