こんにちは!
管理栄養士のつじです。
「キャベツは煮ても、炒めても、生でも食べられるので、つかいやすい」
「嫌いな人はあまりいない印象がある」
など、比較的よいイメージの“キャベツ”。
ただ、どのような栄養素が入っているのかは知らない人も多いのでは!?
実は…
からだを内側からきれいに保つ栄養素も含まれています♪♪
ほかには聞きなれないビタミンのような栄養素も!
キャベツの特徴とともに、ちょっとした会話に役立つ豆知識もお届けします。
今回のクイズは、キャベツに多く含まれる栄養素は?あまり聞かない栄養素ですよ!
最後にこたえを載せていますので、考えながら楽しく読んでみてくださいね!
では!キャベツ編へレッツゴー♪♪
キャベツ 基本情報
キャベツのご先祖様は、古代ケルト人が栽培していたケールに似た野生種です。
この野生種は、ヨーロッパの大西洋や地中海などの海岸で広く見つかっています。
これらは元々古くから、食用として利用されてきましたが、その当時はケールに似ているので、ひらべったい葉でした。
12世紀になって、改良が加えられ、現在のような丸くなるもの(結球:けっきゅう)になりました。
日本には江戸時代の真ん中ごろにオランダ人によって持ち込まれたので、「オランダナ」と呼ばれていたそうです。
栽培は明治時代以降になってからなので、150年ほど。
個人的にはもっと前から食べられているイメージがあったので、少し意外なキャベツの一面を見た気がします。
1年中スーパーで見かけますが、旬は“春”です。
冬は寒玉(かんだま)キャベツ、春は春玉(はるだま)キャベツなど…。
栽培時期によって、特徴も異なるキャベツになります。
後ほど、栄養や野菜のパワーについては詳しくお伝えしますが、キャベツには、【ビタミンU】が含まれています。
ビタミンUってなにかご存じない方も多いと思いますので、しっかり解説していきますね!
キャベツの品種
古くから食用とされてきたため、世界中でいろいろな種類が生まれている“キャベツ”。
ここではキャベツの品種について見てきましょう。
まずは、わたしたちが「キャベツが欲しいと思う時に選ぶ」いわゆるキャベツからご紹介!
収穫シーズンによって、特長が異なっています。
- 夏秋キャベツ(なつあきキャベツ)
春に種をまき、初秋に収穫。
高地や寒い土地で栽培され、“高原キャベツ”とも呼ばれます。
葉は薄めでしゃきっとしているのが特長です。 - 冬キャベツ(寒玉キャベツ)
初夏に種をまき、秋から冬に収穫。
葉がしっかりつまっていて、ずっしり重いです。
甘みがあるのが特徴です。 - 春キャベツ(春玉キャベツ、新キャベツ)
秋に種をまいて、次の年の春に収穫。
葉の巻きは上2つのキャベツに比べてゆるいです。
甘みがとても強くて、みずみずしさも感じられます。
いずれも生食から炒めものまで、さまざまな調理方法で食べることができますが、春キャベツはみずみずしいので、サラダや生食がおすすめ。
一方、冬キャベツは水分が多くないので、ロールキャベツなどの煮込み料理や炒めものなどがおすすめです。
冬なので、あったまるようなスープやお味噌汁の具材にいれるのもよいと思います♪♪
そのほかのキャベツについてもお伝えします!!
- むらさきキャベツ(別名:レッドキャベツ、赤キャベツなど)
普通のキャベツよりもサイズが小さく、葉が固く巻き込んでいるのが特長です。
葉の表面の鮮やかなむらさき色は、アントシアニン系色素によるものです。
アントシアニンは抗酸化作用を持つポリフェノールの一種です。
重さ:約1.2kg
利用方法:サラダ、ピクルス
旬の時期:6月~7月、11月~翌年2月ごろ - サボイキャベツ(別名:チリメンキャベツ)
葉がちりめん状にちぢれた品種。
フランスで生まれたキャベツです。
重さ:約1.2kg
利用方法:汁物や煮込み料理、鍋など
旬の時期:11月~翌年2月ごろ - 芽キャベツ
葉の付け根にできる、結球したわき芽を食べる野菜。
100種類以上の品種が存在。
特にビタミンCが多いのが特長です。
直径:3~4cm
利用方法:料理の付け合わせ、煮物、炒めものなど
旬の時期:11月~翌年2月ごろ - プチベール
芽キャベツとケールをかけ合わせた品種です。
芽キャベツと同じように、葉の付け根にできるわき芽を5~6cmの大きさで収穫したもの。
見た目は結球しておらず、ちぢれた葉っぱです。
葉の長さ:約5~6cm
利用方法:サラダ、天ぷら、煮込み料理など
旬の時期:12月~翌年3月ごろ
最後にひとつおもしろいキャベツをご紹介!
その名も【札幌大球(さっぽろだいきゅう)】
大球とつくので、大きいのかな?と予想してくださった方!
大正解です。
大きさは、なんと直径60cm!重さは約20kg!!
大人が両手でようやく抱えられるくらいの大きさと重さです!!
北海道の札幌で栽培されており、魚のニシンと漬物にした「ニシンづけ」という料理にして食べます。
大きくても葉はやわらかいそうです。
同じ日本にも、まだまだ知らないキャベツはあるんだなーと実感しました。
キャベツに含まれる栄養成分
ビタミンCと言えば、【レモン】などすっぱいくだものに多いイメージはありませんか?
実は…
キャベツにも豊富で、大きめの葉っぱ2枚をとれば、1日分のビタミンCが満たされるとも言われています。
ビタミンC
水に溶ける水溶性ビタミンのひとつ。
抗酸化作用をもつビタミンとしても有名。
肌や骨の健康に欠かせないコラーゲンの生成の際に必要となります。
また、ストレスからからだを守ったり、不足すると貧血となる鉄の吸収も助ける栄養素です。
そのほかにも、先ほどからお話しているビタミンUも含まれ、こちらは、キャベツ以外にも含まれる食材はありますが、キャベツならではの成分と言っても過言ではないと思います。
ビタミンU
キャベツから発見された健康成分です。わたしたちのからだにとって、【消化吸収という重要な働きをしている胃腸】を強くすると言われています。
正式に認められているビタミンではありませんが、ビタミンに近い働きをすることと、ほかのビタミンを助ける働きがあると考えられていることから、ビタミン様物質として認識されている成分です。
まだまだ研究段階ですので、これからがたのしみですね!
ビタミンUの「U」は、英単語の「ulcus(潰瘍)」からきています。
それ以外には、
ビタミンK
あぶらに溶ける脂溶性ビタミンのひとつ。
からだの中の腸内細菌などがビタミンKをつくります。
わたしたちは、食品からのビタミンKと、体内の腸内細菌などでつくられたビタミンKの両方をからだの中で利用。
出血した際、血液を固めて血を止める働きがあります。
また、骨の健康にも必要ですので、しっかり補うように心がけましょう。
葉酸
こちらも水に溶ける水溶性ビタミン。
ほうれん草の葉からとれたため、このような名前となりました。
血液をつくる上で重要な働きをする栄養素のひとつです。
また、DNAの合成などにも必要とされるので、胎児の成長に欠かせません。
妊娠を計画中の方、妊娠中の方は、積極的にとるように言われている栄養素です。
キャベツに含まれる栄養素についてお話ししました。
“キャベツ”には、さまざまな栄養素が含まれているとわかったと思います。
キャベツを食べるとどういいの?
【からだをつくるのは口からとったものだけ】
とよく言いますが、口からとったものをきちんと“消化”・“吸収”できて初めて、わたしたちのからだをつくる栄養となります。
それであれば…
「きちんと消化吸収できないと意味がない!!」ですよね。
そのために、キャベツから発見されたビタミン様物質である【ビタミンU】の働きを上手に活用しましょう!
ビタミンUは、別名キャベジンです。
薬の名前で知っている方も多いように、胃腸薬で有名ですよね!
- 胃液の状態を保つ
- 傷ついた粘膜の修復のサポート
などさまざまな胃腸に関わる働きをもつ成分です。
これらの作用から、胃腸をすこやかに保つ助けに関わり、わたしたちのからだを中から支えてくれます。
特に聞きなれない栄養素である【ビタミンU】についてしっかりお届けしました。
もちろん、先ほどの栄養素の働きも含まれています。
キャベツパワーを余すことなく活用!
ビタミンCは、水に溶けやすい水溶性ビタミンとすでにお話ししましたが、ビタミンUも水に溶けやすい性質があります。
そのため、これらの栄養素をしっかりとるには【生食】がベストです!
銀座の洋食屋さんがはじめたと言われている「とんかつと千切りキャベツ」の組み合わせは理にかなっています。
なぜかというと…
ビタミンCとともにとれるビタミンUのおかげで、消化が促進されますし、あぶらっぽくなる口当たりもさっぱりさせることができるからです。
ただ…
生食ってあまり一度にたくさん食べることはできないですよね!
そうなると、意外と量がとれず、栄養が足りていないかも!?
そのようなところから、煮るかサッと炒めて食べるのがよい方法だと思います。
先ほどお伝えした千切りキャベツですが…
- 水にさらしすぎる
- 長時間空気に触れさせる
ということをしてしまうと、せっかくのビタミンCが減っていってしまいますので、できるだけ食べる直前に準備しましょう!
流れ出てしまうのであれば、スープなど汁物にするのが個人的にはおすすめです。
加熱することで、かさも減り、量もとれますし、ほかの野菜も一緒にとりやすいので、栄養がバランスよくとれます!
よいキャベツの選び方と、わたしがおすすめするキャベツの活用法について紹介します。
まずは選び方!
- 緑の色が濃いもの
- 大きさの割にずっしりとして重みがあるもの
(春キャベツの場合は、巻きがゆるく、丸型をしたもの)
~カットされているものを買う時~
- 葉と葉がすきまなくつまっているもの
- 芯が上まで伸びていないもの
を意識しましょう!
活用法としては、汁ごと食べられる汁物がおすすめ♪♪
量は適当でだいじょうぶですので、お好みでどうぞ!
わたしの家庭ではお味噌汁のレギュラーメンバーでしたので、どの家庭でも出ているものと思っていたのですが…
大人になってから、いろいろな人と食事について話す機会があり、お味噌汁の話をすると…
“キャベツのお味噌汁”を飲んでいる人は少数派ということがわかったので、おすすめしておきます!
ポトフや中華スープなどでは、さまざまな野菜とともに煮込むと思いますが、お味噌汁もおいしいですよ!!
組み合わせでおすすめなのは、【おあげさん(あぶらあげ)】です♪♪
キャベツを細く切り(千切りよりは太め)、おあげさんも細く切り、具材にします。
キャベツを入れると、いつものお味噌汁より少し甘くなるのですが、その“甘み”をおあげさんがすうこと+おあげさんの“うまみ”と“香ばしさ”が合わさることで、深みのある味に仕上がります。
もちろん、ほかの組み合わせでもおいしいと思いますので、みなさんそれぞれ好みの組み合わせをみつけてください!
洋風・中華風とともに、“和”の煮物や汁物にも活躍の場を広げてみてください!
おでんにロールキャベツも和の活用法かもしれませんね。
明日つかえる!キャベツ雑学♪♪
ここでは、みんな大好きキャベツの雑学についてお伝えします。
栄養の知識とともに、雑学も知ることで、キャベツのことがもっと好きになるかもしれませんね!
明日、誰かに話したくなる話があれば…
- キャベツの葉はどこから成長する?
わたしたちがみるキャベツって、芯があって、中からどんどん外に向かって葉っぱが大きくなっていて、色も濃いので、内側から成長していると思いませんか?
実は…
キャベツの葉は外側から成長してくんです!!
外側から成長していき、葉が20枚を超えたところくらいで、中の葉が丸く巻きはじめます。
これを結球(けっきゅう)と言います。
トータルの葉の数は、外葉(結球しないもの)も含めて、40~50枚ほどです。
これは、季節と品種によってちがいが見られます。
外葉でエネルギーをつくり、丸く巻いた内側の葉にためていくので、外葉をしっかり立派に育てていくことも大切です。 - キャベツとお正月にみる葉ボタンって似てるけど…
小さいころ、お正月に見る葉ボタンを、カラフルなキャベツと信じていた時期がありました(笑)。
今見ても似ているなぁーと思うので、今回キャベツの情報をお届けするにあたり、調べてみました。
すると…
【キャベツの仲間であることが判明】
キャベツのご先祖様が“ケールに似た野生種”とお伝えしましたが、祖先をこれとし、さまざまな野菜が生まれていった中に【キャベツ】も【葉ボタン】もいました。
それだけではなく、同じ祖先をもつ野菜に、「芽キャベツ」や「むらさきキャベツ」といったキャベツの仲間だけでなく、【カリフラワー】、【ブロッコリー】などもありました。
よく見ると似ている気もしますよね♪♪
- 野菜が電池になる?
2013年のイギリスのお話です。
「芽キャベツ1000個でクリスマスツリーをライトアップした」
野菜で電気がつくわけない…って思いませんか?
でも、これほんとの話なんです!!
ただ、もちろん芽キャベツそのままで、クリスマスツリーが点灯するわけはなく…
芽キャベツと芽キャベツの間に、銅と亜鉛の電極を入れて、電極と芽キャベツの中にある酸で小さな化学反応を起こさせ、電力を発生させるという仕組みだそうです。
この芽キャベツ電池で、LEDをつかったツリーを1か月ほど点灯させることができたとか!
個人的には芽キャベツ電池が一番おもしろかったです。
日本人にはなかなかない発想だなぁーと勉強にもなりました。
キャベツについて栄養だけでなく、いろいろな面から見ることができましたよね!
◇◆まとめ◇◆
本日は、みんな大好きキャベツの魅力についてお伝えしました。
まとめると…
- キャベツは1年中スーパーなどお店で見かけるが、シーズンごとに特長がある
- ビタミンC、ビタミンU(キャベジン)は水に溶けやすい
- ビタミンU(キャベジン)は胃腸を助ける成分で、キャベツから発見された
- 千切りなど生で食べるときは、ビタミンCの減少に注意
- 調理する際は、汁ごととれるスープやお味噌汁がおすすめ
キャベツは、生でも炒めても煮ても食べられる!ということで、なんにでもつかっていた方も多いと思います。
ただ、今回ご紹介した【ビタミンU】については知らない方も多かったと思いますので、ぜひとも知ったうえで、日々の食事に取り入れましょう!
野菜は大半の方で不足しているので、工夫して日々の食事に取り入れていくことが大切です。
途中本文でもお伝えしたので復習ですが、
【からだをつくるのは口からとったものだけ】です。
自分自身のからだをよくするも悪くするのも自分次第…。
どうせなら、かがやく毎日を送りたいですよね!
そのために、今日から“キャベツも取り入れた野菜生活”を♪♪
※キャベツだけではなく、さまざまな野菜をバランスよく取り入れましょう!
◇◆クイズのこたえ◇◆
こたえは…
ビタミンCと言いたくなるかもしれませんが、あまり聞く機会のないビタミンUです。
CとUのちがいがまだあやふやな方は【3】以降をもう一度チェック!