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“しいたけの魅力”徹底解説!~野菜辞典 しいたけ編~

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野菜辞典しいたけ

こんにちは!
管理栄養士のつじです。

みなさん、しいたけお好きですか?

しいたけほど好き嫌いが分かれるきのこも少ないかな?と思います。

わたしは、好きなのですが、「あの香りが…」と苦手に感じる方もいらっしゃいますよね!
この香りは、干ししいたけにして戻すことで、アップします♪♪

苦手な方からすると、苦痛に感じるかもしれませんが…

実は、この香りにはうれしい働きが!
ほかにもわたしたちのからだにうれしいパワーがあります♪♪

そう聞くと、しいたけに興味がわいてきませんか?

今回は栄養だけでなく、とっかかりやすい情報として、雑学も一緒に紹介します!
嫌いな方は、まず雑学からでも!

今回のクイズは、しいたけの栄養アップの方法について。
食べる前にどうすればいいのでしょうか?

簡単にできることなので、まだやっていないという方は、ぜひともこれからはやってみてくださいね!

最後にこたえも載せていますが…
みなさん、想像しつつ読んでくださいね!

しいたけの魅力を学びにいきましょう~♪♪

しいたけ 基本情報

しいたけは、「マッシュルーム」「ふくろたけ」と並び、世界三大栽培きのこのひとつに数えられます。
ここで少し脱線しますが、世界三大というのに「ふくろたけ?」と思いませんでしたか?
わたしも知りませんでした。

ふくろたけは、中国(一説にはヒマラヤ)が原産地で、世界のほとんどの国にあります。
特に、中国の南部から東南アジアにかけ
ては、もっともよくつかわれるきのこのひとつです。

ただし、日本ではほぼ流通がありません。
そのため、知らない人が多くても仕方のないことだと思います。

その理由としては、【劣化が極端に早いこと】が挙げられます。
味はすごくおいしいらしいので、きのこ好きのわたしとしては、機会があれば食べてみたいと思うきのこです。

さて、話をしいたけに戻しますね!
しいたけの栽培法は、なんと日本で開発されました。
しかも400年近く前に(江戸時代です)!

しいたけ栽培は日本のどこではじまったかということには所説あるようですが、一番有名なのは、【大分県から】というもの。

炭焼きで生計を立てていた男性が、炭焼き用の材木からしいたけが生えているのを見て、人工的に栽培するのはどうか!と考えたのが始まりだと考えられています。

しいたけ栽培
しいたけ栽培


そのほかには、伊豆がはじまりという説などさまざまな説があるようです。

しいたけは、最近では、ヘルシーな食材として海外でも人気が高まりつつあります。

栄養については後で詳しくお伝えしますが、ビタミン類やうま味成分、香り成分など盛りだくさんです。

ヘルシーで栄養も!なら、見逃せませんね。

しいたけの種類

しいたけといえば、“生しいたけ”か“干ししいたけ”かくらいしか知らない方も多いと思います。

中には、冬菇(どんこ)って聞いたことあるよ!という方もいらっしゃるでしょう!
この冬菇(どんこ)、品種だと思っていませんか?

実は、しいたけは、【品種】ではなく、【収穫した時の状態】によって、3種類にわけられています。
初耳の方は、今日覚えて帰ってくださいね♪♪

菇(どんこ)
冬菇(どんこ)
  • 冬菇(どんこ)
    かさが開ききっておらず、全体的に丸みがあり、肉厚で太いのが特徴です。
    7分開き以上にならないうちに収穫して干すため、弾力があります。
    しっかりとした歯ごたえを楽しむことができます。
    さらに、かさの部分が白く割れている干ししいたけは、【花冬菇(はなどんこ)】と呼ばれ、中華料理でも使われる高級食材です。
    高級食材のため、贈り物としてつかわれることも。

    しっかりとした歯ごたえなので、しいたけの形や食感を楽しむことができる鍋がおすすめです。
    ほかには、天ぷらにしたり、汁物にいれたり…など、さまざま活用法が考えられます♪♪
    いずれも、いつもは脇役になりがちなしいたけが主役になるような形に!
    (しいたけ嫌いの方にはすこし敬遠されるかも…。)

    厚みがあるので、つかう時は余裕をもって戻すようにしましょう!(目安は10時間以上)
    お湯で戻すと時間短縮できるかなと考えがちですが、苦みが出てしまうので、せっかくのよいしいたけがもったいないです。水で時間をかけて戻してつかってください♪♪

  • 香菇(こうこ)
    冬菇(どんこ)と香信(こうしん)の中間にあるしいたけです。
    香信(こうしん)ほどかさが大きく開ききっていないのと、冬菇(どんこ)のような厚みや丸みもあるので、両方のよいところを兼ね備えています。
    適度な厚みとやわらかさがあるので、しいたけステーキで味わうのがしいたけを感じられてよいですよ!しいたけというと「和」、もしくは「中華」のイメージがありますが、グラタンやシチューに入れてもおいしいので、興味がある方は一度おためしください♪♪

  • 香信(こうしん)
    冬菇(どんこ)に比べ、かさが開いていて、肉が薄く、平べったいです。
    一番あっさりしているので、主役というよりは、ほかの食材にうま味をプラスするようなつかい方がおすすめです。

    ちらし寿司のトッピングや、薄く切って中華スープや炒めものにいれてもおいしいですよ♪♪

    かさが薄いので、戻す時間は比較的短時間ですみます。
    そのため、普段使いには一番便利です。(価格的にも!)

    いずれもしいたけの戻し汁にもうま味はたっぷり含まれていますので、出し汁で煮物をつくったり、汁物に出汁を混ぜたり…
    おいしく活用しましょう。

しいたけの種類についてお届けしました。
目的別に選んでみても良いかと思います。

ただ、冬菇(どんこ)は高いので、お財布と相談しつつ…
つかってくださいね!

しいたけに含まれる栄養成分

しいたけの栄養成分について見ていきましょう♪♪

ビタミンB1

水に溶ける水溶性ビタミンのひとつ。
炭水化物の代謝に欠かせないビタミン。
この代謝がうまくいかないと、からだがなんとなく元気が出ないし、つかれが…。
また、炭水化物が代謝されなくなるとそのまま脂肪に変わって貯蔵され太りやすくなってしまいます。
今では日常普通に食事をとっていれば、大幅に不足することはないと言われますが、不足するとつかれなどの症状が。
不足した状態が続くと、脳などの神経系にも障害が出始めます。

江戸時代や明治時代の不治の病【脚気】は、白米を多く食べることにより、その代謝に必要なビタミンB1が不足したために生じた病気です。 

玄米にはビタミンB1が含まれていますので、玄米を食べていた人にはこの病気は起こりませんでした。

ビタミンB2

水に溶ける水溶性ビタミンのひとつ。
多くの栄養素の代謝に関わる栄養素。
特に脂質代謝のサポートに大きな役割を果たしています。
口の中の粘膜や皮膚を正常に保つためにも欠かせません。
こどもで慢性的に不足していると、成長障害が起こることもあるので、注意。

そのほかには、うま味成分や香り成分も含まれています。

~うま味成分~

  • グアニル酸
    乾燥したきのこに豊富。

  • グルタミン酸
    アミノ酸のひとつ。
    代表的なのは、昆布やトマト。
    そのほかにもチーズや味噌、醤油などにもふくまれています。

聞いたことある方も多いと思いますが、うま味はちがった種類のうま味を組み合わせる【相乗効果】によって、よりうま味が引き立ちます。

しいたけには、どちらも入っているので、噛めば噛むほどうま味を感じるのかもしれません。

もうひとつの代表的なうま味は、“イノシン酸”。
こちらは、肉や魚に多く含まれるので、しいたけと鶏肉で煮物をつくったり…で相乗効果を活かすのもおすすめです。

~香り成分~

  • レンチオニン
    しいたけ特有のあの香り。
    生しいたけにはあまり含まれておらず、水戻しする時や加熱する時につくられます。
    ただし、加熱し過ぎると香りがなくなってしまうので、注意!!

    レンチオニンは、わたしたちのさらさら生活に関わるパワーをもっています。

    しいたけには、日光に当てるとビタミンDになる【エルゴステロール】という成分も含まれています。

    どのような栄養素ももちろん大事ではありますが、ビタミンDはわたしが日々生活する基となる「骨」の健康に関わります。

    エルゴステロールとビタミンDの関係について、詳しく解説します。

しいたけを食べるとどういいの?

しいたけをはじめとする“きのこ”に多く含まれる【エルゴステロール】の量は、乾燥品100gあたり325㎎です。

食用のきのこの中では、まいたけに一番多く含まれています。

“エルゴステロール”と“コレステロール”ってなんとなーく名前が似ているように感じませんか?

どちらもよく似た構造をもつステロールのひとつです。

コレステロールは、動物が体内でつくりだし、自ら利用しています。
健康診断で検査項目にあるので、あまりよいイメージがないかもしれませんが、わたしたちのからだの中で、生体膜の構成成分になったり、ホルモンやビタミンDの原料になるため、非常に大切な脂質です。

ここで、本題に戻りますが、【エルゴステロール】は、動物も植物もつくることができません!!

きのこや酵母、カビなどの菌類が合成し、それらの細胞膜を構成するもので、菌類が生きていくためにはなくてはならない脂質なのです。

構造はよく似ていますが…

動物…【コレステロール】のみ
菌類…【エルゴステロール】のみ
植物…【フィトステロール】のみ


なので、それぞれの細胞膜の維持やホルモン生成に、ほかのステロールはつかえません!

それであれば、なぜ“エルゴステロール”をとるとよいのでしょうか?

エルゴステロールは、プロビタミンDとも呼ばれ、ビタミンDの前駆体(ぜんくたい)です。

“前駆体”ってむずかしいですよね…。
簡単に言うと、エルゴステロールは、ビタミンDの進化前の姿です。

ポケモンに置き換えてみると…
●エルゴステロール(プロビタミンD):ピチュー
●ビタミンD:ピカチュウ

わかりましたか?(笑)
ポケモンを知っている世代には、伝わったと思います!(笑)

先ほどお伝えしたように、わたしたち人間(動物)の体内では、エルゴステロールを活用することはできません。また、ビタミンDに変換させることもできません。

そのため、体内にいれる段階で進化(変換)させておく必要があるんです!

必要なのは“紫外線パワー”。

食べる前に、日光に当て、エルゴステロール(プロビタミンD=ビタミンD前駆体)からビタミンDにしておきましょう!

当てる時間は30分~1時間程度でだいじょうぶです。
大きな手間もかからず、栄養アップ!

生しいたけを干してつくる干ししいたけは、生の10倍近くもビタミンDが多く含まれています。

ビタミンDは、骨や歯の形成に欠かせません。
カルシウムの調節に関わる栄養素です。

サプリメントで摂取する場合は、過剰症になることも多いので注意しましょう!

不足すると、骨の成長がうまくいかず、こどもであれば、くる病などの成長障害につながることも…。

こどもの嫌いな野菜として「しいたけ」を聞くこともありますが、ぜひとも今からしいたけの魅力に気付いて、食べてほしいなぁーと思っています♪♪

しいたけパワーを余すことなく活用!

先ほどお話ししたエルゴステロールとビタミンD。

どうせなら、最高の状態でとりたいですよね!

以下のポイントも参考にしつつ、料理をしてみてください♪♪

  • ビタミンDを活かすには…
    先ほどお話ししたように、食べる前に日光に当てましょう!
    30分~1時間程度でだいじょうぶです。

    ビタミンDはカルシウムの吸収率を高めますので、カルシウムが豊富な小魚やチーズ、高野豆腐、干しエビなどと一緒に調子するとよいでしょう♪♪

    個人的には、干ししいたけの戻し汁をつかって、しいたけと高野豆腐を煮るのがおすすめです。

    ただ、私は好きですが、“しいたけを結構感じるメニュー”なので…苦手な方は、こちらはいかがでしょうか。

【しいたけのマヨチーズ焼き】

つくりかたというほどのものもなくて…

  1. しいたけのいしづきと軸を切る
  2. オーブントースターにアルミを敷く
  3. 裏返してかさの裏にマヨネーズを塗る
  4. とろけるチーズをのせて焼く

お好みで黒コショウをふりかけてもおいしいです。

先ほどの煮物に比べると、生のしいたけをつかうこともありますし、チーズやマヨネーズをつかうため、苦手な方も食べやすいと思います。

どちらでもお好きな方でしいたけを食べてみてください♪♪

しいたけの選び方についてもお伝えします!

  • かさが肉厚、完全には開いておらず、ひっくり返した時に白いもの
    (茶色がかっていたり、変色したものは避ける)
  • ふちが内側に巻き込んでいるもの
  • 軸が太くて短いもの

生しいたけの選び方についてお伝えしました。

ちなみに、干ししいたけは、かさがつやつやしているものを選ぶとよいですよ♪♪

しいたけは特にこどもで苦手という方も多いですが、成長に関わるビタミンDも含まれていますので、調理方法を工夫して食べるようにしましょう。

明日つかえる!しいたけ雑学♪♪

ここでは、しいたけの雑学についてお届けします!
しいたけが嫌いな方は、しいたけの魅力に気づくために、ここを何度も読み返してくださいね!(笑)

  • しいたけは洗ってはいけない!?
    食べる前に、材料はしっかり洗ってからつかいましょう!と、家庭ではもちろん、小学生の家庭科実習などでも言われませんでしたか?

    実は、きのこに関しては少し異なるようです!
    洗うのではなく、【固く絞ったふきんなどで拭く】ようにしましょう!

    そうすることで、香りを保つことができます♪♪
  • 外国で流行の兆し!?“SHIITAKE”
    世界三大栽培きのこのひとつに【しいたけ】があると、お伝えしましたように、日本や中国、韓国ではなじみのある”きのこのひとつ”として、普通に食べられています。

    しかし、ヨーロッパやアメリカでは、あまり売られていない“きのこ”だったそうです。

    近年、アメリカやフランスでも栽培がはじまり、スーパーなどでも見かけるようになってきました。

    外国では、日本での呼び方「しいたけ」にならって、【SHIITAKE】と呼ばれています。
    外国でも、深い味わいが人気となっているようです♪♪

    まつたけの香りは、外国の方には不人気で、国によってはすごい言われようですが…
    しいたけは万国共通の味わいなんですね!

    今後外国でもっと流行っていくかもしれない【しいたけ】ですので、しいたけ嫌いの方も、今のうちに食べられるようになっておいた方が、よいかもしれませんね♪♪

◇◆まとめ◇◆

今回は、しいたけの魅力についてお届けしました♪♪

まとめると…

  • 世界三大栽培きのこのひとつであり、なんと栽培は日本ではじまったとのこと
  • 栄養素(ビタミンB1やビタミンB2)、うま味成分、香り成分などさまざまなものが含まれている
  • しいたけに含まれる“エルゴステロール”は、ビタミンDとなるが、体内では変換できないので、事前にビタミンDに変換しておく
  • エルゴステロール(プロビタミンD)⇒ビタミンDにするには“紫外線”が必要
  • ビタミンDにするために、食べる前30分~1時間日光に当てる
  • しいたけは今後外国でも人気のきのこのひとつになっていくかも!?

好き嫌いがわかれやすい“しいたけ”。

わたしたちのからだを維持するために大事な栄養素が含まれていると学んだことで、嫌いな方も食べてみようと思ったのではないでしょうか?

【からだをつくるのは口からとったものだけ】

現代では気をつけて食事をしないと栄養は不足しがち…。
そんな中でも、いつまでもしっかりした日々を過ごしたいですよね!

いつまでも好きなことをなんでもできるような生活を送るためにも“しいたけも取り入れた野菜&きのこ生活”を♪♪

※しいたけなどのきのこだけではなく、さまざまな野菜をバランスよく取り入れましょう!

◇◆クイズのこたえ◇◆

こたえは…
日光に当ててから食べる】でした。

たった30分~1時間当てておくだけで栄養がアップするのであれば、やらないと損ですよね!
詳しくは【4】【5】を確認しましょう。

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