野菜辞典

“玉ねぎの魅力”徹底解説!~野菜辞典 玉ねぎ編~

たまねぎ 野菜辞典
たまねぎ

こんにちは!
管理栄養士のつじです。

玉ねぎお好きですか?

生は苦手という方も、加熱するとあまーくなるので、好きという方も多いのではないでしょうか。

味の好き嫌いはあると思いますが、料理をする全員が嫌だと共有して言えるのは…あのみじん切りの作業の時の…“涙”ですよね!(笑)

いつも嫌だなーと思っている方!

あの涙のもととなる刺激成分は、わたしたちのからだに役立つ成分です!

そう聞くと、少しあの作業が好きになるかも!

今日は玉ねぎについて詳しくなれるよう説明しますね♪♪

今回のクイズは、玉ねぎって茎?根っこ?
わたしたちはどの部分を食べているのでしょうか?

最後にこたえも載せていますので、考えながら読み進めてくださいね!

ではでは!玉ねぎに詳しくなる旅へレッツゴー~♪♪

玉ねぎ 基本情報

玉ねぎの原産地は、北西インドらへんではないかと考えられていますが、元々の野生種は発見されていません。

ペルシャ・エジプト・ローマなどで、古くから栽培されていました。
古代エジプトでは、宴会で食べるのはもちろん、埋葬の儀式にもつかっていたそうです。
その理由としては、香りが強いので、その強い香りから死者を蘇らせる魔力があると信じられていたから!
なんと、中には目に玉ねぎをつめて埋葬された、えらい方もいたらしいです…。

ギリシャでは古代オリンピックに出場する選手に、筋肉を引き締めるためにからだに玉ねぎの汁をすりこんでいました。

その後、玉ねぎは家賃の支払いや結婚式の贈り物に使われるなど、海外ではさまざまなつかわれ方をしてきました。

日本へは、南蛮船でやってきたと考えられています。
栽培がはじまったのは、明治時代になってからです。

玉ねぎの種類

玉ねぎ=外は“茶色”
というイメージではありませんか?

実は、白・茶・赤・紫などさまざまな色があります。

いろいろな玉ねぎがありますので、いくつか紹介します♪♪

  • 真白(ましろ)
    外の皮も内側もきれいな白色の玉ねぎ。
    水分が多く、辛みが少ないのが特長。
    直径:10~12cm 
    調理法:生食、煮もの、焼きもの
    旬の時期:8月~10月
  • 小タマネギ
    くっつけて苗を植えて、あえて小さく育てたもの。
    別名は、プチオニオンやペコロス。
    直径:3~4cm
    調理法:煮込み料理、ピクルス
    旬の時期:4月~7月
  • 湘南レッド(しょうなんれっど)
    外の皮は鮮やかな赤紫色で、輪切りにした断面にも赤い輪っかが見えます。
    生食用です。
    別名は紫玉ねぎ。
    直径:10~12cm
    調理法:サラダ、酢のもの、和えもの
    旬の時期:5月~6月
  • 札幌黄(さっぽろき)
    1878年から札幌農学校(今の北海道大学)で栽培されていた品種がもと。
    煮込むと甘い。
    直径:10~12㎝
    調理法:煮込み料理
    旬の時期:9月~11月
  • サラダタマネギ
    苦みや辛みが少なく、水分が多いので、生で食べやすい玉ねぎ。
    別名は白玉ねぎです。
    直径:約10㎝
    調理法:サラダ
    旬の時期:3月~4月
  • 葉タマネギ
    一般的な玉ねぎを、葉をつけたまま若いうちに収穫したもの。
    見た目はねぎに近く、つかい方もねぎと同じように用います。
    直径:全長約30㎝
    調理法:薬味、煮込み料理、炒めもの
    旬の時期:2月~3月

たまにサラダで紫色の玉ねぎをみることはありますが、葉玉ねぎがあるとは初めて知りました。
用途にあわせて、上手に使えるようになれれば…。

玉ねぎに含まれる栄養成分

実は、玉ねぎ自体の栄養素は多くありません。

しかし、不足すると代謝や神経機能がうまく働かなくなり、つかれがたまってしまうビタミンB1の吸収を助ける成分は含まれていますので、わたしたちの健康にはもちろん関わります。

また、血液さらさらに関わるポリフェノールも含まれています。

このポリフェノールは、血液をさらさらにすることで、悪玉コレステロールの上昇を抑えたり、血液が固まるのを遅らせたりします。

それにより、動脈硬化の予防などにもうれしい働きがあると考えられているんです。

また、玉ねぎは、予防医学の面から特に注目を集めている野菜です。
そのような知識がないときにも、古くから抗菌や鎮静作用をもつ薬草として広く利用されていました。

ビタミンB1の吸収を助けるとお伝えしましたが、その成分は、調理する時に嫌な気分になる“あれ”です!(笑)

わたしたちのつかれを和らげるビタミンB1の吸収を助けてくれるなら…
あの痛みに耐えようと思った方もいらっしゃったのでは?

涙や鼻にツンとくるあの成分について詳しくお伝えします。

玉ねぎを食べるとどういいの?

玉ねぎには、玉ねぎ特有の辛みや香りのもととなる硫化アリルが含まれています。
この硫化アリルが、鼻や目にツンとした刺激を与えるのです。


硫化アリルの一種である【アリシン】は、わたしたちのからだの中で胃の消化液の分泌を活発にすることで、食欲を増進させたり、ビタミンB1の吸収を高めたりするなどの働きをしています。

ビタミンB1を多く含む食材(豚肉・かつお・大豆など)と一緒に食べることで、アリシンがビタミンB1と結びつき、体内に長く留まらせることができます!

それによって、つかれへの回復パワーを持続することが!

どんな方でも、元気で毎日を過ごしたいと思いますので、【アリシンパワー】を活用したいですよね♪♪

ただし、その際には少し注意した方がよい点があります。

玉ねぎパワーを余すことなく活用!

先ほどお話しした“アリシン”。

アリシンを活用するには、少し気をつけてほしいポイントが…。

玉ねぎを食べるときに、辛みが気になるので、【水にさらす】という方もいらっしゃるかと思います。

水にさらすことで、刺激はおさえることができるんですが…
なんと!さらしすぎると、アリシンまで失われてしまいます!!!
また、熱にも弱いんです…。

無駄なく摂取するには、水にさらすときは、さっとにして、生で食べましょう。

ただ、毎回生でばかりも食べられませんよね!

そんなときには…
【切った玉ねぎを15分ほど空気に触れさせる】

アリシンは、15分ほどおいてから料理をはじめると、加熱をしても壊れにくくなるようです♪♪

効率よくアリシンを摂取するために、切ってすぐに料理をしたくなる気持ちをぐっとおさえてくださいね!

最後に、玉ねぎの選び方もお届けします!

  • 芽が伸びていないもの
  • 表面に傷がなく乾いていてつやがあるもの
  • 皮がかたいもの(春先に出回る新玉ねぎは除く)

関西人だからせっかちなのか…切ったらすぐに料理をしていたわたしは、損をしていたなーと…(笑)。

これからは、少し早めに材料だけ切り準備をしておき、休憩してから炒めものなどを行おうと思います!

どうせ食べるのであれば、少しでも効率的に栄養がとれる方がよいと思いますので、よろしければおためしください♪♪

明日つかえる!玉ねぎ雑学♪♪

ここは、玉ねぎの雑学についてお話しします♪♪

なんと!あの“涙”とおさらばできるかもしれません!!!

わたしはみじん切りの際に絶対泣くので、やってみようともくろんでいます(笑)!

  • みじん切りの“涙”防止には…
    料理をする前に…【冷蔵庫で冷やしておく】ようにしましょう。

    冷やしておくことで、刺激成分が揮発にしくく(気体となりにくく)なり、涙が出にくくなります。また、切れ味のよい包丁をつかうこともおすすめ!

    なによりも、玉ねぎの繊維をつぶさないように切ることで、刺激成分をおさえることができるんです!
  • コロンブスが意気揚々と西インド諸島に玉ねぎを持ち込んだが…
    当時アメリカ大陸は存在を知られていなかったので、インドを発見したと思ったコロンブスのお話です。

    インドに到達したと信じていたコロンブス(実際は西インド諸島)は、自分達しか知らないと思っていたので、現地に玉ねぎを持ち込んだが…

    実際は、現地の方が活用していたとのこと。
    食べるのはもちろん、染料など幅広くつかっていたそうです。
  • 見た目がよく似た“エシャロット”って玉ねぎ?
    エシャロットは、玉ねぎの親戚にあたる野菜です。
    フランス料理によく出てきますよね!
    玉ねぎほどはあまくならないです。

    玉ねぎとにんにくの中間だという言葉がしっくりくると思います。

    明日、いや今日から話したくなるような雑学はありましたか?

◇◆まとめ◇◆

今回は、玉ねぎの魅力についてご紹介しました♪♪

まとめると…

  • 玉ねぎは世界的には古くから栽培され、ただ、食べるだけでなく、さまざまなつかわれ方をしている
  • 玉ねぎの種類によっては調理法に向き不向きがある
  • 栄養素は多くはないが、わたしたちのつかれ回復に関わるビタミンB1の吸収を高める働きをもつ【アリシン】が含まれる
  • 【アリシン】は、水にさらすと流れやすいし、加熱にも弱いので…効率よく食べるべき
    (切った玉ねぎを15分ほど空気に触れさせることで効率的に摂取)
  • 涙目防止には【冷蔵庫で冷やす】

どんな料理にもあう“玉ねぎ”。

いろいろな料理につかうものの…ビタミンB1を含むものと一緒にとるとよいなど新たな面を知ると、今すぐつかいたくなるのでは?(笑)

【からだをつくるのは口からとったものだけ】

現代では肉体的な面だけでなく、いろいろと多忙な人も多くなり、つかれやすくなっていますよね…。
そんな中でも、元気に毎日を過ごしたいですよね!

毎日たのしく生活を送るためにも“玉ねぎも取り入れた野菜生活”を♪♪

※玉ねぎだけではなく、さまざまな野菜をバランスよく取り入れましょう!

◇◆クイズのこたえ◇◆

今回は本文にないバージョンでした。
考えてくれましたか?

ちなみにわたしは根っこだと思っていましたが、同じように考えてくださった方、残念です…。

こたえは、
【葉(鱗茎)】
(鱗茎:りんけいと読みます)


玉ねぎを切ったことがある方だとわかると思うのですが、皮をむく前に、おしりの部分から出ているのが根っこ、縦半分に切ったときに、根っこの上の白い部分が茎、何層にも重なっている食べる部分は、【葉】となります。

最後まで読んでくださった方は、もうひとつ詳しくなれましたね!

タイトルとURLをコピーしました